https://www.sponichi.co.jp/society/news/2021/01/04/kiji/20210104s00042000045000c.html
[ 2021年1月4日 05:30 ]
フィギュアスケート全日本選手権で、関係者が宿泊するホテルに横付けされた移動式PCR検査車両
Photo By スポニチ
首都圏を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大し、7月の東京五輪の開催が揺らぐ中、移動式PCR検査サービスが新たな感染予防策として注目を集めている。昨年11月から日本で初めて提供を始めたメレコム(横浜市)によると、日本選手権クラスのスポーツイベントや五輪の競技会場となっている自治体からも「テストケースとして使用してみたいとの問い合わせが相次いでいる」という。
昨年12月23~27日に長野市で開催され、男子フリーで羽生結弦(26)が5年ぶりに優勝したフィギュアスケート全日本選手権でも、コーチや運営スタッフらに対して検査を実施した。大会関係者が滞在したホテルに停車していたのはトラックの荷台を改造したPCR検査専用の車両。臨床検査技師2人で手分けしてホテルで1人ずつ唾液を採取し、その後車内で検査。数百人は全て陰性だった。結果は、最短2時間で各自確認できるようになっていた。
メレコムの中川隆太郎社長(36)は「スポーツイベントなどを実施する際のひとつの切り札になるのではないか」と説明。その理由について「一般的なPCR検査では結果が分かるまでに時間がかかる。検査を受けても、その間に感染してしまう可能性があり、そのリスクを減らすことができる」とした。
検体を採取する車両はこれまでにもあったが、PCR検査の結果まで分かるのはこの1台のみ。1回あたり最大96人分の検査が可能で約2時間ほどで検査結果が分かる。1日で最大500人分が可能。昨年11月から運用を開始し、約2カ月で4回出動。計400人分の検体を検査し、これまでに陽性者は確認されていないという。中川社長は今後について「スポーツイベントに加えて、病院がないところや高齢者の多い地域などでも活用したい」と展望を明かした。
車両の普及には1台3000万円という価格が課題になる。同社も今後台数を増やすかどうかは未定。広報担当者は「アドバイスやノウハウなどできる限り技術を公開していく」と、他社の参入を促しながら全国展開につなげたいと期待を寄せた。
≪1検体1万~2万円≫移動式PCR検査にかかる費用は検体数によって異なるが、1検体あたり9800~2万2000円。これに500キロまでの出張料金20万円が加算される。価格は全て税別。
[ 2021年1月4日 05:30 ]
![東京五輪開催へ コロナ対策“切り札”完結型PCR検査車に問い合わせ続々 [ひよこ★]->画像>1枚](https://www.sponichi.co.jp/society/news/2021/01/04/jpeg/20210103s00042000688000p_view.jpg)
フィギュアスケート全日本選手権で、関係者が宿泊するホテルに横付けされた移動式PCR検査車両
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首都圏を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大し、7月の東京五輪の開催が揺らぐ中、移動式PCR検査サービスが新たな感染予防策として注目を集めている。昨年11月から日本で初めて提供を始めたメレコム(横浜市)によると、日本選手権クラスのスポーツイベントや五輪の競技会場となっている自治体からも「テストケースとして使用してみたいとの問い合わせが相次いでいる」という。
昨年12月23~27日に長野市で開催され、男子フリーで羽生結弦(26)が5年ぶりに優勝したフィギュアスケート全日本選手権でも、コーチや運営スタッフらに対して検査を実施した。大会関係者が滞在したホテルに停車していたのはトラックの荷台を改造したPCR検査専用の車両。臨床検査技師2人で手分けしてホテルで1人ずつ唾液を採取し、その後車内で検査。数百人は全て陰性だった。結果は、最短2時間で各自確認できるようになっていた。
メレコムの中川隆太郎社長(36)は「スポーツイベントなどを実施する際のひとつの切り札になるのではないか」と説明。その理由について「一般的なPCR検査では結果が分かるまでに時間がかかる。検査を受けても、その間に感染してしまう可能性があり、そのリスクを減らすことができる」とした。
検体を採取する車両はこれまでにもあったが、PCR検査の結果まで分かるのはこの1台のみ。1回あたり最大96人分の検査が可能で約2時間ほどで検査結果が分かる。1日で最大500人分が可能。昨年11月から運用を開始し、約2カ月で4回出動。計400人分の検体を検査し、これまでに陽性者は確認されていないという。中川社長は今後について「スポーツイベントに加えて、病院がないところや高齢者の多い地域などでも活用したい」と展望を明かした。
車両の普及には1台3000万円という価格が課題になる。同社も今後台数を増やすかどうかは未定。広報担当者は「アドバイスやノウハウなどできる限り技術を公開していく」と、他社の参入を促しながら全国展開につなげたいと期待を寄せた。
≪1検体1万~2万円≫移動式PCR検査にかかる費用は検体数によって異なるが、1検体あたり9800~2万2000円。これに500キロまでの出張料金20万円が加算される。価格は全て税別。