https://www.sponichi.co.jp/society/news/2021/05/17/kiji/20210517s00042000111000c.html
[ 2021年5月17日 05:30 ]
米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン
Photo By 共同
共同通信社が15、16両日に実施した全国電話世論調査で、政府の新型コロナウイルス対応を「評価しない」が71・5%に上った。4月調査(10~12日)の56・5%から急増し、安倍、菅両内閣を通じ過去最多。「評価する」は25・2%だった。
政府の接種計画について「遅いと思う」との回答は85・0%で、「順調だと思う」の12・9%を大きく上回った。前回調査では、接種の進捗(しんちょく)に関し「不満を感じている」との答えが60・3%、「不満は感じていない」が36・5%。この1カ月で菅政権へのいらだちがさらに募り「評価」に如実に表れた格好だ。
ようやく始まった高齢者への本格接種では予約を巡る混乱が頻発し、首長の“優先接種”も相次いで発覚。菅義偉首相は4月中旬に米製薬大手ファイザー社に“直談判”し、ワクチンの追加供与で原則合意、7日の会見では、7月末までに高齢者接種終了という“公約”実現に向け「1日100万回接種が目標」と大見えを切った。しかし、これまで後手対応を見せつけられてきた国民は「有言実行」を不安視。「評価」押し上げにはつながらなかったようだ。
前回調査は3府県を対象としていた、まん延防止等重点措置が6都府県に広がった時期。今回は「第4波」の様相がさらに強くなり、緊急事態宣言と重点措置の適用を19都道府県にまで拡大した14日の決定直後の調査。感染力が強い変異株はほぼ全国で9割を占めるまでになっており、変異株の感染拡大に関しては「不安を感じている」との回答が「ある程度」を含めて90・3%に上った。
感染状況と内閣支持率は反比例の関係にあると言われているが、菅内閣の不支持率は前回から11・2ポイントも急増し47・3%と政権発足以降で最多となった。理由としては「首相に指導力がない」が40・4%で最も多かった。支持率は前回から2・9ポイント下げ41・1%。
前回調査で「ようやく支持率が下げ止まった」(自民党幹部)との声が聞かれたが、菅政権は再び厳しい局面に立たされた。秋までの総選挙を見据え「政権浮揚の切り札」と期待するワクチン接種でこれ以上の失点を重ねれば、支持率急降下が現実味を帯びてくる。
▽調査の方法 全国の有権者を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。実際に有権者がいる世帯にかかったのは715件、うち542人から回答を得た。携帯電話は、電話がかかったのは1254件、うち523人から回答を得た。
[ 2021年5月17日 05:30 ]
![“ワクチン遅っせぇわ”85%、コロナ対策評価しないは過去最悪71・5% 全国世論調査 [ひよこ★]->画像>1枚](https://www.sponichi.co.jp/society/news/2021/05/10/jpeg/20210510s00042000066000p_view.jpg)
米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン
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共同通信社が15、16両日に実施した全国電話世論調査で、政府の新型コロナウイルス対応を「評価しない」が71・5%に上った。4月調査(10~12日)の56・5%から急増し、安倍、菅両内閣を通じ過去最多。「評価する」は25・2%だった。
政府の接種計画について「遅いと思う」との回答は85・0%で、「順調だと思う」の12・9%を大きく上回った。前回調査では、接種の進捗(しんちょく)に関し「不満を感じている」との答えが60・3%、「不満は感じていない」が36・5%。この1カ月で菅政権へのいらだちがさらに募り「評価」に如実に表れた格好だ。
ようやく始まった高齢者への本格接種では予約を巡る混乱が頻発し、首長の“優先接種”も相次いで発覚。菅義偉首相は4月中旬に米製薬大手ファイザー社に“直談判”し、ワクチンの追加供与で原則合意、7日の会見では、7月末までに高齢者接種終了という“公約”実現に向け「1日100万回接種が目標」と大見えを切った。しかし、これまで後手対応を見せつけられてきた国民は「有言実行」を不安視。「評価」押し上げにはつながらなかったようだ。
前回調査は3府県を対象としていた、まん延防止等重点措置が6都府県に広がった時期。今回は「第4波」の様相がさらに強くなり、緊急事態宣言と重点措置の適用を19都道府県にまで拡大した14日の決定直後の調査。感染力が強い変異株はほぼ全国で9割を占めるまでになっており、変異株の感染拡大に関しては「不安を感じている」との回答が「ある程度」を含めて90・3%に上った。
感染状況と内閣支持率は反比例の関係にあると言われているが、菅内閣の不支持率は前回から11・2ポイントも急増し47・3%と政権発足以降で最多となった。理由としては「首相に指導力がない」が40・4%で最も多かった。支持率は前回から2・9ポイント下げ41・1%。
前回調査で「ようやく支持率が下げ止まった」(自民党幹部)との声が聞かれたが、菅政権は再び厳しい局面に立たされた。秋までの総選挙を見据え「政権浮揚の切り札」と期待するワクチン接種でこれ以上の失点を重ねれば、支持率急降下が現実味を帯びてくる。
▽調査の方法 全国の有権者を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。実際に有権者がいる世帯にかかったのは715件、うち542人から回答を得た。携帯電話は、電話がかかったのは1254件、うち523人から回答を得た。