https://mainichi.jp/articles/20210809/k00/00m/030/097000c
毎日新聞 2021/8/9 13:37(最終更新 8/9 14:27) 508文字
ペリー元米国防長官=2015年8月、大前仁撮影
バイデン米大統領が米国の核戦略指針「核態勢の見直し」で採用に意欲を示しているとされる核兵器の「先制不使用」や「唯一の目的」宣言について、米国の元政府高官や科学者らが9日、菅義偉首相や日本の主要政党の党首に対し、米政府が宣言することに反対しないよう求める書簡を送った。
オバマ政権(2009~17年)の副大統領だったバイデン氏は、当時のオバマ大統領が掲げた「核兵器なき世界」の目標を引き継ぐ考えだ。就任前には、核兵器は他国の核攻撃を抑止することを「唯一の目的」にすべきだとの考えを表明。核攻撃を受けない限り核兵器は使わないとする「先制不使用」の宣言にも前向きな考えを示した。
書簡はペリー元米国防長官ら20人と6団体が署名。「宣言は核攻撃に対する拡大核抑止も含め、同盟国との安全保障体制に影響を与えるものではない」と指摘。「核廃絶を強く唱えてきた日本が、核廃絶に向けた小さくとも重要な一歩を阻むことになれば、それは悲劇的だ」としている。
核の先制不使用宣言はオバマ政権が導入を検討したとされるが、米国の「核の傘」の下にある日本など同盟国や米軍内などからの慎重論が強く、打ち出すには至らなかった。【ニューヨーク隅俊之】
毎日新聞 2021/8/9 13:37(最終更新 8/9 14:27) 508文字
![核の先制不使用、反対しないよう菅首相らに要請 米元高官らが書簡 [ひよこ★]->画像>1枚](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/08/09/20210809k0000m030098000p/9.jpg)
ペリー元米国防長官=2015年8月、大前仁撮影
バイデン米大統領が米国の核戦略指針「核態勢の見直し」で採用に意欲を示しているとされる核兵器の「先制不使用」や「唯一の目的」宣言について、米国の元政府高官や科学者らが9日、菅義偉首相や日本の主要政党の党首に対し、米政府が宣言することに反対しないよう求める書簡を送った。
オバマ政権(2009~17年)の副大統領だったバイデン氏は、当時のオバマ大統領が掲げた「核兵器なき世界」の目標を引き継ぐ考えだ。就任前には、核兵器は他国の核攻撃を抑止することを「唯一の目的」にすべきだとの考えを表明。核攻撃を受けない限り核兵器は使わないとする「先制不使用」の宣言にも前向きな考えを示した。
書簡はペリー元米国防長官ら20人と6団体が署名。「宣言は核攻撃に対する拡大核抑止も含め、同盟国との安全保障体制に影響を与えるものではない」と指摘。「核廃絶を強く唱えてきた日本が、核廃絶に向けた小さくとも重要な一歩を阻むことになれば、それは悲劇的だ」としている。
核の先制不使用宣言はオバマ政権が導入を検討したとされるが、米国の「核の傘」の下にある日本など同盟国や米軍内などからの慎重論が強く、打ち出すには至らなかった。【ニューヨーク隅俊之】