https://mainichi.jp/articles/20210813/k00/00m/040/186000c
毎日新聞 2021/8/14 06:30(最終更新 8/14 06:37) 1286文字
写真一覧
https://mainichi.jp/graphs/20210814/mpj/00m/040/003000f/1
全日本空輸は9日、「空飛ぶウミガメ」と呼ばれる超大型旅客機エアバスA380を503日ぶりに成田―ハワイ・ホノルル線で運航した。新型コロナウイルスの影響で運航の休止が続いていた。夏休みの特別な需要に対応するため、8月中に2往復する。帰国後14日間の自主隔離の措置が続き、旅客数は限られ、9月以降の運航は決まっていない。成田―ホノルル線を巡っては、感染収束後の需要回復を見据え、日本航空や日航系の格安航空会社(LCC)の「ZIPAIR Tokyo」も徐々に再開の動きをみせている。
成田空港で出発準備中のウミガメ塗装のA380を見つけると、旅客の家族連れが大喜びで搭乗口まで走り出し、ガラス越しに写真を撮った。愛知県の会社員(46)は夏休みを利用し、家族4人で2週間滞在する予定で、「プールやシュノーケリングを楽しみたい。中学2年の長女は来年が受験なので、この夏休みに家族全員で旅行をしたかった」と話した。帰国後14日間の自主隔離中、自宅でテレワークする。小学6年の次女(11)は「可愛い。早く乗りたい」と目を輝かせた。
全日空のA380は総2階建ての520席で、9日のホノルル行きには144人が搭乗した。ファーストクラス8席は満席で、ビジネスクラスも7割近くが利用し、上位クラスの人気が高かった。搭乗口でスタッフが「A380に搭乗いただける日を長きにわたり心待ちにしていました」「アロハ! 搭乗ありがとうございます」などと手書きのメッセージ入りのステッカーを旅客に配った。出発の際には、約30人が駐機場からペンライトを振って見送った。
A380は2020年3月24、25日の往復を最後にホノルル線の定期便の運航を休止し、遊覧飛行や機内で食事を楽しむレストランとして活用されてきた。全日空上席執行役員の石田洋平・成田空港支店長は「ようやくハワイへ飛ぶことができた。本格的な復活とはいかないが、少しずつ旅行に出かけるムードになればいい」と期待する。
一方、ZIPAIRは7月21日、ホノルル線を6カ月ぶりに再開し、週1往復で運航する。観光のほか、夏休みの家族の訪問や留学、一時帰国などの需要を見込む。留学のために利用した女子大学生(22)は「運賃が他社の半分以下だったので選んだ。日本航空の系列なので安心感がある」と話した。ZIPによると、生鮮品や日用品、機械部品などの貨物需要が好調で、10月から週2往復に増便する。西田真吾社長は「低価格の運賃を期待する旅客に応える責務がある。貨物需要は下支えになる」と述べた。
日航は10月から週1往復での再開を決めた。20年3月末から運休が続いていた。日航は「50、60代の旅客がわずかに増えつつあるなど、時間に余裕のある旅客層を中心とした需要が戻り始めている。いち早く需要の取り込みを図りたい」と説明する。
ハワイ州は日本からの渡航者に対し、新型コロナの陰性証明書など必要な書類を提示すれば、入国後10日間の自己隔離を免除する措置を取っている。感染が収束すれば、人気のハワイには多くの日本人が観光に訪れると予想されている。【中村宰和】
毎日新聞 2021/8/14 06:30(最終更新 8/14 06:37) 1286文字
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全日本空輸は9日、「空飛ぶウミガメ」と呼ばれる超大型旅客機エアバスA380を503日ぶりに成田―ハワイ・ホノルル線で運航した。新型コロナウイルスの影響で運航の休止が続いていた。夏休みの特別な需要に対応するため、8月中に2往復する。帰国後14日間の自主隔離の措置が続き、旅客数は限られ、9月以降の運航は決まっていない。成田―ホノルル線を巡っては、感染収束後の需要回復を見据え、日本航空や日航系の格安航空会社(LCC)の「ZIPAIR Tokyo」も徐々に再開の動きをみせている。
成田空港で出発準備中のウミガメ塗装のA380を見つけると、旅客の家族連れが大喜びで搭乗口まで走り出し、ガラス越しに写真を撮った。愛知県の会社員(46)は夏休みを利用し、家族4人で2週間滞在する予定で、「プールやシュノーケリングを楽しみたい。中学2年の長女は来年が受験なので、この夏休みに家族全員で旅行をしたかった」と話した。帰国後14日間の自主隔離中、自宅でテレワークする。小学6年の次女(11)は「可愛い。早く乗りたい」と目を輝かせた。
全日空のA380は総2階建ての520席で、9日のホノルル行きには144人が搭乗した。ファーストクラス8席は満席で、ビジネスクラスも7割近くが利用し、上位クラスの人気が高かった。搭乗口でスタッフが「A380に搭乗いただける日を長きにわたり心待ちにしていました」「アロハ! 搭乗ありがとうございます」などと手書きのメッセージ入りのステッカーを旅客に配った。出発の際には、約30人が駐機場からペンライトを振って見送った。
A380は2020年3月24、25日の往復を最後にホノルル線の定期便の運航を休止し、遊覧飛行や機内で食事を楽しむレストランとして活用されてきた。全日空上席執行役員の石田洋平・成田空港支店長は「ようやくハワイへ飛ぶことができた。本格的な復活とはいかないが、少しずつ旅行に出かけるムードになればいい」と期待する。
一方、ZIPAIRは7月21日、ホノルル線を6カ月ぶりに再開し、週1往復で運航する。観光のほか、夏休みの家族の訪問や留学、一時帰国などの需要を見込む。留学のために利用した女子大学生(22)は「運賃が他社の半分以下だったので選んだ。日本航空の系列なので安心感がある」と話した。ZIPによると、生鮮品や日用品、機械部品などの貨物需要が好調で、10月から週2往復に増便する。西田真吾社長は「低価格の運賃を期待する旅客に応える責務がある。貨物需要は下支えになる」と述べた。
日航は10月から週1往復での再開を決めた。20年3月末から運休が続いていた。日航は「50、60代の旅客がわずかに増えつつあるなど、時間に余裕のある旅客層を中心とした需要が戻り始めている。いち早く需要の取り込みを図りたい」と説明する。
ハワイ州は日本からの渡航者に対し、新型コロナの陰性証明書など必要な書類を提示すれば、入国後10日間の自己隔離を免除する措置を取っている。感染が収束すれば、人気のハワイには多くの日本人が観光に訪れると予想されている。【中村宰和】