私はこの「極言暴論」で、SIerの御用聞き体質を折に触れて批判している。
だが実は、その度に申し訳ない気持ちになっている。
もちろんSIerに対してではない。本物の御用聞きの皆さんに対してだ。
どんな業種であっても、顧客の要望に完璧に応えられるプロは本当にすごい。
私も旅先などで何度か感嘆したことがある。
だから「御用聞き」という言葉をネガティブな文脈で使うことに、申し訳なさを感じるわけだ。
だが、そうは言っても、御用聞きのSIerにはガツンと言わなければならぬ。
そもそもSIerは本当に御用聞きなのか、単なる「ガキの使い」じゃないのかという話もあるが、
今回の記事の趣旨と外れるので、そこは深掘りしない。
とにかくSIerが御用聞きをやっているようではダメなのだ。
他の業種では御用聞きが尊敬すべきプロの仕事であっても、ITの仕事においては最低最悪。全てのムダや不幸の起点はここにある。
「おっしゃっていただければ何でも作ります」と営業し、
人海戦術でムダの塊のようなシステムを作る。
「それって、パッケージ製品をそのまま使えばよくない?」
「こんなアドオン、要らないよね」と内心では思っても、「お客様の言う通り」だ。
中には「現行通り」という酷い要求もあるが、「かしこまりました」となる。
その結果、客は非効率な業務を温存するシステムに大金を支払う羽目になる。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/463805/110100164/?itp_leaf_index