8月20日 6時12分
スペインのバルセロナなどで合わせて14人が死亡、120人余りがけがをした一連のテロ事件で、一部の地元メディアは、犯行グループがサグラダ・ファミリア教会など複数の観光名所で爆弾テロを計画していたと見られると伝え、警察は実行犯の男は逃走中と見て行方を追っています。
スペインでは17日、バルセロナとその南西にあるカンブリスで、車が歩行者をはねるテロ事件が相次ぎ、合わせて14人が死亡、120人余りがけがをして、警察は同じグループによる犯行との見方を示しています。
この前日には、バルセロナからおよそ200キロ離れたアルカナルの住宅で爆発があり、大量のガスボンベなどが見つかったことから、警察は、犯行グループが爆発物を準備している最中に誤って爆発を起こしたために車を使ってテロの実行を急いだものと見ています。
この犯行グループについて、一部の地元メディアは捜査関係者の話として、北アフリカのモロッコ国籍の若者ら12人で、多くの観光客が集まるサグラダ・ファミリア教会などバルセロナの複数の観光名所で爆弾テロを計画していたと見られると伝えています。
一連のテロ事件については、過激派組織IS=イスラミックステートが犯行を主張する声明を出しています。警察は、拘束した4人の容疑者から事情を聴くなどして事件の背景を調べるとともに、バルセロナでのテロ事件の実行犯の男は逃走中と見て行方を追っています。
バルセロナ 市民が記帳
テロ事件が起きたバルセロナでは19日、大勢の市民が市の庁舎を訪れて平和を願う言葉を記しました。
これは市が呼びかけたもので、土曜日に特別に開放された庁舎前には大勢の人たちが集まり、列を作りました。そして庁舎の中に設けられた「バルセロナ・平和の都市」という言葉が記された場所で、思い思いのメッセージと自分の名前を記していました。
メッセージを書いた女性は「『バルセロナよ、私はあなたを愛している』と書きました。私はなによりこの町が好きで事件が起きてとても悲しく、この気持ちを変えたいという思いを込めました」と語っていました。
また家族で訪れた別の女性は「事件に対応した警察や救急の人、そして私たちバルセロナに世界から寄せられた温かい支援への感謝の言葉を記しました」と話していました。
ふだんどおりの意識強める市民
バルセロナでは悲惨な事件が起きたあとも、観光客の受け入れや市民生活に目立った変化は見られず、これまでと同じ生活を続けることでテロに対抗する姿勢を示そうという市民の意識が強まっています。
事件が起きたランブラス通りは、翌日には規制が解除されて歩行者が通行できるようになり、19日には大勢の市民や観光客が行き交っていました。また、事件現場のすぐ近くにある繁華街ではすべての店が営業していて、大きな買い物袋を手に歩く人たちの姿が見られました。
主な観光スポットは以前と変わらず見学が可能で、バルセロナ観光の中心であるサグラダ・ファミリア教会にはこの日も世界各国から集まった大勢の人たちが見学に訪れていました。市内の警備は強化されていますが、それ以外にはテロの影響は目立っていません。
バルセロナのコラウ市長は「テロには負けない。私たちは再びランブラス通りに出て歩こう」とツイッターで市民に呼びかけています。また、ランブラス通りを歩く地元の市民からは「私たちは外に出なければいけません。悲しく、怖かったけれど、おそれていてはテロを起こした人が勝つことになってしまいますから」とか「普通の生活に戻ることで、テロの犯人に対し、私たちがおそれていないことを示さなくてはなりません」といった声が聞かれ、これまでと同じ生活を続けることでテロに対抗する姿勢を示そうという市民の意識が強まっています。
国王と王妃 被害者を励ます
スペイン国王のフェリペ6世とレティシア王妃は19日、バルセロナでのテロ事件でケガをした人を励ますために、子どもたちなどが入院している病院を訪れました。
2人は被害にあった人たちの病室を訪ね、フェリペ6世は腕や足などにケガをしてベッドに横たわっている男の子の手を握って、話しかけるなどして励ましていました。また、レティシア王妃は右手にギプスをした幼い女の子のほおをなでるなどしながら話しかけ、これに対して女の子は笑顔で応えていました。
フェリペ6世は記者団の取材に対し、「われわれの価値観、民主主義や人権への認識は、この下劣で臆病な行為に屈することはない」と話し、テロに屈しない姿勢を強調しました。
続きはサイト先で
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170820/k10011105371000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001
スペインのバルセロナなどで合わせて14人が死亡、120人余りがけがをした一連のテロ事件で、一部の地元メディアは、犯行グループがサグラダ・ファミリア教会など複数の観光名所で爆弾テロを計画していたと見られると伝え、警察は実行犯の男は逃走中と見て行方を追っています。
スペインでは17日、バルセロナとその南西にあるカンブリスで、車が歩行者をはねるテロ事件が相次ぎ、合わせて14人が死亡、120人余りがけがをして、警察は同じグループによる犯行との見方を示しています。
この前日には、バルセロナからおよそ200キロ離れたアルカナルの住宅で爆発があり、大量のガスボンベなどが見つかったことから、警察は、犯行グループが爆発物を準備している最中に誤って爆発を起こしたために車を使ってテロの実行を急いだものと見ています。
この犯行グループについて、一部の地元メディアは捜査関係者の話として、北アフリカのモロッコ国籍の若者ら12人で、多くの観光客が集まるサグラダ・ファミリア教会などバルセロナの複数の観光名所で爆弾テロを計画していたと見られると伝えています。
一連のテロ事件については、過激派組織IS=イスラミックステートが犯行を主張する声明を出しています。警察は、拘束した4人の容疑者から事情を聴くなどして事件の背景を調べるとともに、バルセロナでのテロ事件の実行犯の男は逃走中と見て行方を追っています。
バルセロナ 市民が記帳
テロ事件が起きたバルセロナでは19日、大勢の市民が市の庁舎を訪れて平和を願う言葉を記しました。
これは市が呼びかけたもので、土曜日に特別に開放された庁舎前には大勢の人たちが集まり、列を作りました。そして庁舎の中に設けられた「バルセロナ・平和の都市」という言葉が記された場所で、思い思いのメッセージと自分の名前を記していました。
メッセージを書いた女性は「『バルセロナよ、私はあなたを愛している』と書きました。私はなによりこの町が好きで事件が起きてとても悲しく、この気持ちを変えたいという思いを込めました」と語っていました。
また家族で訪れた別の女性は「事件に対応した警察や救急の人、そして私たちバルセロナに世界から寄せられた温かい支援への感謝の言葉を記しました」と話していました。
ふだんどおりの意識強める市民
バルセロナでは悲惨な事件が起きたあとも、観光客の受け入れや市民生活に目立った変化は見られず、これまでと同じ生活を続けることでテロに対抗する姿勢を示そうという市民の意識が強まっています。
事件が起きたランブラス通りは、翌日には規制が解除されて歩行者が通行できるようになり、19日には大勢の市民や観光客が行き交っていました。また、事件現場のすぐ近くにある繁華街ではすべての店が営業していて、大きな買い物袋を手に歩く人たちの姿が見られました。
主な観光スポットは以前と変わらず見学が可能で、バルセロナ観光の中心であるサグラダ・ファミリア教会にはこの日も世界各国から集まった大勢の人たちが見学に訪れていました。市内の警備は強化されていますが、それ以外にはテロの影響は目立っていません。
バルセロナのコラウ市長は「テロには負けない。私たちは再びランブラス通りに出て歩こう」とツイッターで市民に呼びかけています。また、ランブラス通りを歩く地元の市民からは「私たちは外に出なければいけません。悲しく、怖かったけれど、おそれていてはテロを起こした人が勝つことになってしまいますから」とか「普通の生活に戻ることで、テロの犯人に対し、私たちがおそれていないことを示さなくてはなりません」といった声が聞かれ、これまでと同じ生活を続けることでテロに対抗する姿勢を示そうという市民の意識が強まっています。
国王と王妃 被害者を励ます
スペイン国王のフェリペ6世とレティシア王妃は19日、バルセロナでのテロ事件でケガをした人を励ますために、子どもたちなどが入院している病院を訪れました。
2人は被害にあった人たちの病室を訪ね、フェリペ6世は腕や足などにケガをしてベッドに横たわっている男の子の手を握って、話しかけるなどして励ましていました。また、レティシア王妃は右手にギプスをした幼い女の子のほおをなでるなどしながら話しかけ、これに対して女の子は笑顔で応えていました。
フェリペ6世は記者団の取材に対し、「われわれの価値観、民主主義や人権への認識は、この下劣で臆病な行為に屈することはない」と話し、テロに屈しない姿勢を強調しました。
続きはサイト先で
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170820/k10011105371000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001