https://news.yahoo.co.jp/articles/a8b9cbe8df368de4ac44f56213353e8204b6dc82
新型コロナウイルス感染後に回復した人の血漿を調整して患者に投与する「回復期血漿療法」に関する国際的な臨床試験で、
集中治療室(ICU)での治療を必要とする重症患者の募集が中止された。研究チームが11日発表した。
900人以上の重症患者を対象とした初期試験で症状の改善が見られなかったためという。
初期試験では、血漿療法によって死亡率が低下したり、ICUで治療期間が短縮されたりする割合が2.2%と非常に低かった。
試験を実施しているラバル大学(カナダ)のアレクシス・タージオン教授は
「血漿療法によってICUで治療中の重症患者に症状の改善が見られない理由はまだ不明だ。ただ、肺障害が進行しているため
回復期血漿では効果がないのかもしれない」と述べた。
新型コロナ感染症に対する回復期血漿療法を巡っては、インドやアルゼンチンでの小規模な臨床試験でも重症患者への効果が乏しいことが分かっている。
研究チームの声明によると、血漿療法による悪影響は見られず、集中治療は必要ないがコロナ感染症の症状が中程度の入院患者の参加を引き続き募集するという。
英国民保健サービス(NHS)血液・移植部門の医療専門家、ゲイル・ミフリン氏は国際的な試験を引き続き実施することで、
血漿療法が集中治療前の患者に効果があることが証明されるかもしれないと述べた。