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安倍首相「これは結構です」。差し出された金融庁の報告書を笑いながら返した
国会で6月19日、およそ1年ぶりの党首討論が開かれた。野党の党首たちが安倍晋三首相に対し、金融庁による「老後の資金は2000万円必要」とした報告書について追及する形となった。
そのなかで、国民民主党の玉木雄一郎代表が報告書を差し出したが、安倍首相が「これは結構です」と笑いながら返す場面があった。
質問に立った玉木代表は、次のように話し、報告書をテーブルの上に置いた。
「総理、報告書がありますので、お渡ししますから読んでください。お忙しいので、全部付箋つけてきましたからぜひ」
「真っ当なことが書かれてあります。麻生(太郎財務・金融相)さんがこれを受け取らないと言ったのはまずいです」
「麻生さんが頼んでおいて受け取れないというのでは、(金融庁の職員や専門家などが)やってられないと思いますよ」
すると、報告書を手に取った安倍首相は、笑いながらこう話し、報告書を返した。
「報告書についてはいただいておりまして、読んでおりますから、わざわざ付箋をいただきましたが、これはもう結構です」
「消費は喚起されるどころか萎縮」
マイクの前に再び立った玉木代表は、「報告書を受け取らない。なきものにする態度が、国民のみなさんに不安を与えて、消費は喚起されるどこか、萎縮させてしまっている」と指摘。こう続けた。
「どういう年金の姿になっているのか、将来どうなるのかを正直に語る姿勢が、必要ではないか。今のままでは、年金の数字も信じられない、年金を扱っている政府も信じられない。このままでは政治不安は消えません」
今回の党首討論には、玉木代表のほかに、立憲民主党の枝野幸男代表、共産党の志位和夫委員長、日本維新の会の片山虎之助共同代表が臨んだ。
安倍首相は年金や報告書について、こう反論した。
「(国民は)年金で老後の生活を賄うことができるのか、年金は持続可能なのかということに不安を持っていると思われます」
「(老後に必要な支出額を)平均値で見たことに問題があった。そこから大きな誤解が生じた」
「大切なことは、年金生活者の生活実態は多様であり、多様なものに対応するものになっているか。現実と向き合って制度を改正しています」